【松山市】フジがレデイ薬局株を全売却。ツルハ完全子会社化で何が変わる?短期は好材料、長期リスクはどこ?
愛媛県松山市に本店を置くスーパーのフジ(本社・広島市)が、保有するレデイ薬局の全株式をレデイ薬局とツルハホールディングスに売却することが発表されました。現在レデイ薬局の株式はフジが49%、ツルハホールディングスが51%を保有しています。報道によると、ツルハホールディングス側からフジに完全子会社化による迅速な意思決定や積極投資を実現したいという提案があったようです。→フジホームページ

レデイ薬局宮西店
売却実行日は2025年12月22日(または別途合意の日)とされています。譲渡価格は約195億円。フジ側はこの株式売却により、2026年2月期の第4四半期に「投資有価証券売却益(特別利益)」を計上する見込みという発表があります。この売却によりレデイ薬局はフジの「持分法適用関連会社」から除外されることになります。フジ側は「レデイ薬局との協力関係は継続する予定」としています。
フジにとっての影響

・財務体質の強化
売却により195億円のキャッシュが入る可能性があり、保有株式という固定的な投資を流動化することができます。
・特別利益の計上
フジはこの売却に伴い、2026年2月期の第4四半期に「投資有価証券売却益(特別利益)」を計上する見込みという発表があります。一時的ではありますが、業績にプラスのインパクトを与える材料といえます。反面、時期以降利益の「いつものライン」が維持できるかも課題。
・財務諸表では影響がある
レデイ薬局はフジの「持分法適用関連会社」から除外されるので、一般的には財務諸表における影響度が変化する可能性があります。ただ、将来的にイオンがツルハを連結子会社とする旨の合意が締結されているため、フジとレデイ薬局の間では協力関係が維持できるので、大きな影響はなさそうとの見方も強いです。
レデイ薬局にとっての影響
迅速な意思決定、積極投資が可能となるとしています。ツルハホールディングス単独の完全子会社化により、経営の一体化・効率化を図る意図も明らかです。今後更なる地域ドラッグストアチェーンの取り込み、展開強化があるかもしれません。

レデイ薬局桑原店
今後の注目ポイント
・フジの中期経営計画の見直し
フジは今回得られる資金・売却益を「中期経営計画の遂行や財務体質の強化に活用」するとしています。本業拡大か物流強化か、新業態なのか…どの分野に再投資を行うか注目です。
・ドラッグストア業界の競争激化
今回のような株式譲渡、完全子会社化は業界再編のひとつの象徴です。他社によるM&A同行も注視していきたいところ。
・フジとレデイ薬局の協力関係の変化
フジは「協力関係は継続予定」としていますが、資本関係はなくなるため、業務協力の実務内容がどう変わるかも焦点です。一般的には物流、仕入れ、店舗展開で影響が出ますが果たして…?
・株価・投資家の反応
発表後、フジの株価にはプラス材料として「特別利益計上見通し」が評価されており、短期的には好材料と受け止められています。あとは持続可能な収益構造を確立できるかが注目されています。
まとめ
今回の売却は短期的にはフジにとっては財務的にプラス、中長期的には資本関係解消による協力形態の再設計が必要という二面性があります。フジが売却で得た資金をどのように振っていくのかもポイントだと思います。また、ドラッグストア業界はM&Aによる再編が加速しており、今回の株式売却で地域競争の構造が変わるかもしれません。特にツルハホールディングスの積極姿勢やウエルシアとの連携や統合関連の動きなどが業界再編をけん引しています。イオンがツルハを連結子会社とする旨の合意が締結しているため、イオンがどこまで影響度を高めていくかも気になります。今後のニュースにも注目したいと思います!







