【松山市】2026年度より四国初、愛媛大学で一級建築士の受験資格が得られる!愛媛大学とコラボハウスでネーミングライツに関するパートナー契約が締結されました。
愛媛県を拠点に13地域に展開するハウスメーカー、株式会社コラボハウスは、国立大学法人愛媛大学と大学施設のネーミングライツ(施設命名権)に関するパートナー契約を締結しました。2025年5月15日に除幕式が開催されたので取材しました。

愛媛大学正門
コラボハウスホール
ネーミングライツに関するパートナー契約締結により、2025年4月1日から2030年3月31日までの5年間、愛媛大学城北キャンパスのグリーンホールの愛称は「コラボハウスホール」として新たに命名されました。
令和8年度愛媛大学工学部「建築・社会デザインコース」の設置
愛媛大学で「一級建築士」の受験資格を得られるプログラムが、2026年度よりスタートすると発表になりました。→愛媛大学ホームページ
これをきっかけにコラボハウスは学生たちとの関わりを深めながら、地元愛媛の建築やまちづくりを共に盛りあげたいと考えたため、ネーミングライツプロジェクトに応募したとのこと。
愛媛大学は、工学部工学科「社会デザインコース」を、2026年度から「建築・社会デザインコース」に変更し、このコースで「一級建築士」受験資格を得られるようにするとのことです。一級建築士資格取得に対応したコースの設立については、これまで愛媛県や県内建築関連団体等から建築系コース創設を求める要望書が愛媛大学に提出されていたそうです。全国的に総合的なまちづくりやトータルな空間デザインへのニーズが高まっており、愛媛大学はこれらのニーズに対応するための技術者および設計者の養成を目指すとのこと。
愛媛大学側のメリット
「今回のネーミングライツに関するパートナー契約にあたり、企業側の熱意を凄く感じた」と仁科学長。今後を見据え、さらに連携協定を結んでいきたいと前向きに仰っていたのが印象的でした。愛媛大学城北キャンパスグリーンホールは、共通教育が管理している300人も収容できる教室。愛媛大学に通うほぼすべての学生がこの教室で講義を受ける機会をもちます。この名を通し、人生設計をしてくれたらとのことでした。一級建築士の受験資格がとれるというメリット以外に、愛媛大学でしか受けられない価値ある講義が開講されることとなれば、多くの優秀な学生が愛媛大学に集まってくるのではないでしょうか。
コラボハウス側のメリット
今回ネーミングライツ締結にあたり手を挙げたコラボハウス様にも取材をさせていただきました。大手ハウスメーカーは営業、建築士と役割がわかれていることが多い中、コラボハウスは、設計士が直接お客さんと話して家づくりを進めていく、ちょっと珍しい会社。家づくりあるあるの「思っていたデザインと違う」「最初の見積もりより高くなって不満」などをなるべくなくしたい、納得できる家づくりをしたいという思いがあってのことだそうです。

プレスリリースより。
松坂代表
実際コラボハウスの社員さんとお話をすると、出身も卒業した大学も県外で、愛媛とは縁もゆかりもないけど、コラボハウスの社風に惹かれて入社した方が多いとか。コラボハウス側も、県外の企業説明会などに積極的に参加されているのは、四国で建築士を目指している人の母数が少なすぎた、ということも要因としてあるのではと思います。2020年に建築士法の一部が改正され、一級建築士を受験するための要件だった「実務経験」が免許登録の要件に変わりました。これにより、学校卒業後すぐに資格試験を受けられるようになるだけでなく、受験対象者も広がりました。

コラボハウス松山久万ノ台オープンスタジオにて
コラボハウスの松坂代表は「愛媛大学で育っていく未来の建築家の雇用の受け皿となり、一緒に愛媛を彩っていきたい」と仰られていたので、愛媛で学び、愛媛の企業に就職したいと思える仕組みが作られようとしているのはとても素晴らしいことだと思います。人口流出に悩むエリア、中小企業にとって明るい、期待したいニュースではないでしょうか。
今後の展望
今回、愛媛大学とコラボハウスさんの間で何度も「(ネーミングライツ以外の)連携協定」という言葉が出ていたよう、現在のところ決定事項はそれ以上はないようです。仁科学長、松坂代表が前向きなお話をされていたので、建築の現場を知る機会の提供やインターンシップ強化、共同研究による新しい技術やアイデアの実現などもありそうです。産学連携は、大学にとっても企業にとってもメリットが多いです。愛媛大学出身、愛媛の企業で活躍する建築士が増え、愛媛のまちづくりをけん引してくださることを期待したいです。
☆コラボハウス様、取材協力ありがとうございました!☆